はじめての職場、不安だったあの頃

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  田邊係長が1年目の時って、不安とか大変だったことってありました？
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  うん、あったよ。自分、高校卒業してすぐ18で入社したもんで、年上の人ばっかでさ。「ちゃんとやっていけるんかな…」って、不安だった。
  でも、岩崎課長がすごくよくしてくれて。仕事も手取り足取り教えてくれたし、プレス課で一通り作業を覚えて、だんだん慣れてきた。先輩たちも優しかったしね。今こうして自分があるのは、あのときの教えのおかげだと思っとるよ。
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  わかります、それ。自分も最初の2年間は単発プレスで、やっぱり岩崎課長にたくさん教えてもらいました。今思い返せば、その時、しっかり基本のことを丁寧に教えてくれたから、今こうして自動プレスで5〜6年やれてるんだと思います。

大切にしているのは「安全」と、早く帰りたい気持ち（笑）

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  ところで、田邊係長が仕事するうえで、大事にしてることってなんですか？
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  やっぱり「安全」だね。今は係長として、みんなを見守る立場だもんで、ケガや事故が起きないように常に気をつけてる。朝礼で声かけしたり、現場でも小まめに見たりして、安全意識を高めてもらえるようにしてる。
  
  あとは、自動車部品を扱う製造業として、不具合品を出さないこと。お客様に迷惑をかけないように、作業のやり方とか、教育の仕方もこっちからしっかり伝えなきゃって思ってる。
  
  それから、必然的に生産性だな。自分も若いころは、プレス打ちまくって、「早く終わらせて帰ろう！」って気持ちで頑張ってたからさ。今思えば、その気持ちが生産性を上げる力になってたんだろうね。改善や作業を見直したりして、結局それがスキルアップにもつながってたのかも。実は、鈴木さん（以下、こうへい）はその「帰りたい精神」を持っているところが、俺に似てるな～って思ってるよ。
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  そうだったんですね。確かに、自分も自動プレスに来た当初は、仕事がいっぱいいっぱいで、「早く帰りてぇ〜！」って思いながら、頑張ってました（笑）
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  それそれ。その考えは、こうへいの大事なモチベーションだと思ってるから大事にしてやりたいし、そのモチベーションを持ち続けてほしいなって思っているよ。
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  そうですか？（笑）ありがとうございます。

「変わったなぁ」って、成長を感じる瞬間

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  ここでいうのもなんだけど、こうへいは、本当に変わったよ。
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  えっ、自分、そんな変わりましたか？
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  最初はほんとおとなしかったよ、人と話すの苦手そうで。ある時、不良品が出てしまって。こうへいに「なんでこうなったの？」って聞くとシュン…ってなってたもん（笑）その時、「LINEでなら話せるかも…」って言ってたよな？
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  あ〜…言ったかも（笑）
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  だら？そのこうへいが、6年前と比べたらもう真逆で。よくしゃべるし。すごく頼もしくなったなって。本当に、成長を嬉しく思うよ。これからもよろしく頼むな。
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  ふふふ……（照）なんか、ありがとうございます。がんばります！

やりがいは、「人」と「環境の変化」

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  自分は作業者だからまだ「つくる」という目の前のことをやって、その中に面白さを見つけてきてて。田邊係長は、作業者から係長っていうまとめ役になって、作業者とは違うやりがいって感じますか？
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  そうだな。作業者だったころは、現場でひたすら汗水流して、「今日もようやったわ〜！」って満足してたけどね。今は、現場の人たちがどうしたらもっと働きやすくなるかを考えるのが自分の役目やと思って、そうなっているところを見るとやりがいというか、うれしい気持ちになるよ。
  
  例えば、作業環境のレイアウトを工夫したり、動線を見直したり、そういう小さな改善の積み重ねで、だいぶ働きやすくなったと思う。当時は年上の人も多くて、ちょっと話しかけづらい雰囲気もあったけど、今は「困ったらすぐ相談してね」って言いやすい環境になったなと思ってる。
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  自分はまだ現場の作業者の立場だけど、上の立場の方がそんなふうに自分たちのことをしっかり考えてくれてるって知れて、ちょっと嬉しくて。いい職場だな～って、ここで働けてよかったなって安心しました。